オトナの夜(パリ雑感2)



パリ話の続きです。バレエの好きなおおのさんが
手配してくれたおかげで、旅行中にバスティーユの
新オペラ座でバレエを見る機会に恵まれました。
私一人だったらそんなチケットどうやったら入手
できるのか、まるで見当つきません。という訳で
今回は観劇の感想です。バレエは全くの門外漢
ですが(というかいろんな事にいつも門外漢)、
すごく楽しめました。

まず、会場につくと、もう観客の人々がかもし出す
「大人の愉しみ」的優雅な空気がまずすばらしい。
男女比は半々ぐらい、バレエを習っているであろう
子供たちから若者、熟年、お年寄りまで、紳士淑女
みんなこぎれいな格好で集っていて、特別感が
たまらーん、という感じでした。
子供の中にはまっ白いスーツを着込んでしゃれのめした
小学3年生ぐらいのナマイキな男の子などもおり、
こういう子供時代を過ごすとキザが板につくのであろう
と納得です。会場の建物もこれがまた。ガルニエの
オペラ座にも行ってみたかったのですがこちらの
オペラ座もどうしてなかなか、モダンな雰囲気
なのにシックで、パリってどうしてこう憎いほど
ステキな場所が多いのか、うらやましいです。

さて、雰囲気に圧倒されながらも席を見つけて、
いよいよ舞台の始まりですが、最初に壮大な
「お披露目パレード」のようなものがありました。
これは後で知ったのですが「デフィレ」と言って、
オペラ座ダンサーとバレエ学校の生徒が舞台を行進
し、特にエトワールの人とかにはものすごい
拍手喝さいが贈られるといった催しで、一年に
一度ぐらいのイベントらしいです。いいものを見られ
ました。ところでその行進、舞台の奥の方から
次から次へとダンサーたちが出てくるのですが、
奥行きがものすごく深い。舞台ってあんなに奥行きが
あるものなのか、と妙な所に関心してしまいました。

肝心のバレエですが、この日は
バランシンのLes Quatre Tempéraments
ヌレエフのRaymonda
フォーサイスのArtifact Suite
という三つの演目だったらしいのですが
(すみません、私なんぞには各人の詳しい事は皆目
分かりませんが…)、一つ目と三つ目のはモダンな
感じ、真ん中のは割とクラシックな演目のようで
私は三つ目が特に気に入りました。特に三つ目の
第一部はバッハのシャコンヌ(この曲大好きなのです)
に合わせて、踊る合間に唐突にカーテンが落ちてくる
演出が、緊張感があって引き込まれました。

という訳で夢のような時間があっという間に過ぎ、
興奮冷めやらぬ中メトロでホテル方向に帰り、ゴハンでも
食べようかと思ったら意外とパリも店じまいが早く、
ゴハンにありつけないかな~と思っていたら
近所のお店がまだ何とかやっていて、ワインで乾杯と
しゃれこみ、贅沢な夜は更けていくのでありました。
と、これからは日本でももっとバレエとか積極的に見て、
大人ライフをエンジョイしたいな~との思いを
新たにする、ステキ体験でした。ではまた。

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