海堂尊氏「スカラムーシュ・ムーン」文庫版が出ました


週刊新潮で連載時に挿絵を描かせていただき、
単行本の表紙も描きました海堂尊氏の小説
「スカラムーシュ・ムーン」がこのたび文庫化
されまして、引き続き表紙を担当いたしました。
今日発売のようで、出来立てほやほやです。

この小説は、養鶏業を営む父を持つ大学生
まどかの進路に絡む青春劇と、シリーズきっての
ニヒルなキャラ彦根がインフルエンザワクチンを
めぐって官僚機構と繰り広げる緊迫したドラマと
が同時進行して、(そのふたつがどう絡んでいる
のかは読んでのお楽しみです)、ベネチア、スイス
も駆け巡り、さらにシリーズ全体の集大成的な
意味合いもありつつのダイナミックな作品です。
そして、読後感は爽やかでちょっと切ないのです。
カバーでは単行本の時のテイストを引き継ぎつつ、
サスペンスフルな側面に焦点を当ててみました。

ちなみに、2014年の連載時の挿絵はこんな感じ↓
でした。
普段のわたしより若干リアリティ(?)重視の
画風でチャレンジングな仕事でしたが、毎回
構図を考えるのが楽しかったです。 小説の挿絵は
わたしの場合「読者の想像力の邪魔をしないように
描きすぎず、でも物語に入り込めるぐらいに適度に
状況を描写して」というバランスを意識して描いて
います。装画などが説明しすぎずにドラマや雰囲気を
表現するのに比べて、挿絵は少しストーリー寄りの
臨場感もあったほうがエンターテイメントとしては
面白いかなあ..と。その塩梅がうまくいったなと
自分で思える時はとてもうれしいですね。







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