楽しい読書、心休まる読書 - 仕事紹介

さて、最近の仕事からです。
まずは、中公文庫さんから、赤川次郎さんの新装版シリーズで、「いつもの寄り道」のカバーを描きました。

「新婚の夫が出張に行ったと思ったら、なぜか他の女の人と一緒に事故に遭い死んだとの知らせが...」といういきなりびっくりな展開で、ともすると暗い悲劇なのかと思いきや、そこは今回のお話も痛快な赤川ワールド、あっけらかんとたくましいヒロインが敵をバッタバッタとなぎ倒し(いや、若干誇張💦、でもそのぐらいの勢いがあります)事件を解決していく小気味良さです。しばし現世を忘れコーヒーとおやつ片手に本の世界の活劇に入り込んで楽しむ時間にぴったりです。


この新装版シリーズはこれが3作目です。既刊の「静かなる良人」「迷子の眠り姫」もそれぞれ面白いですのでぜひ。赤川さんの描くヒロインは、それぞれ違いますがどこか共通した潔さがあって、元気をもらえます。

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続いてはこちらの「コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める」(藤野智哉著/敬称略)。



コロナ禍では皆さんストレスが溜まったのではないでしょうか。さらに厄介なことに、自分がストレスを溜めている、というのが認識できないまま、もっと頑張らなくては...という焦りを溜めてしまいがちな状況だったかと思います。こちらの本では、そうした状況に「焦らない」「急がない」「あらがわない」ことについて、問題を整理しながら対処のヒントをくれる本です。SNSなどで状況に対して他者がどう振る舞ってるのかがすぐ分かる今の時代、他の人のようにスマートに賢く対処できない自分に焦ったりもしがちですが、人と比べるのでなく、ゆっくり自分の人生を自分のペースで生きていいのですよね。この本では、自分の対処だけでなく、周囲の人のケアや、また社会として人間の心理がこういう時に差別に向かいやすい問題などもきちんと指摘されていて、それをどう防ぐか、という話もあります。自分がちょっと抑うつ的に感じたり、周囲の人が落ち込んでいた時の対処にも、為になる一冊だと思います。著者の藤野先生は心臓に持病があるそうで、ご本人のそうした一病を得た「ままならなさ」からも、実感のこもった温かいアドバイスをしてくれていて、読んでて心が安らぎます。




中にもイラストを描いてます。自分に課すハードル、超低くていいんですよね。

この世は問題や困難で満ちていますし、もちろんそれを解決する為に皆が社会のことを考えるのは大事です。が、それで頭をいっぱいにしてしまい自分の気が滅入ってしまって、自分を守れなくなるぐらいに心を追い詰めてしまうのも問題です。四六時中問題に向きあうのでなく、リラックスして自分の楽しみの為に時間を費やして気分転換することも必要ですよね。

ではでは。

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