図で考える習慣、絵で考える習慣

最近の仕事から。


東洋経済新報社さんからの新刊『武器としての図で考える習慣 「抽象化思考」のレッスン』(平井孝志氏著)のカバーと挿絵を描きました。デザインはtobufune(小口翔平氏+三沢稜氏)で、わたしの下手くそな写真では分かりづらいかもしれないんですがとても渋いいい感じの金色が使ってあり、上品な仕上がりにしていただいていてうれしいです。
思考を図に表すのって、考えが整理されていいですよね、わたしもよくやります。わたしの場合たいてい、部屋をどういう順番で片付けようか、とか仕事をどういう順番で片付けようか、とか主に「片付かないものについて考える」という他愛のないことについてですが。そして後に残るのは電話メモみたいなヘンテコのみという...(片付け物を増やしてる気が)。まあ、図そのものよりそれを書いてるプロセスが大事という面もあるようなので。そして、こういう図を描く手書きの筆致ってその人の個性が出るものですよね。読んでるといろいろ気づきがあります!




ダイヤモンド・ザイさんの別冊付録冊子の中の挿絵を描きました。
投資を心理学的に考えてみるという読み物です。読めば読むほど自分はこの「ダメなほう」の心理で満ち満ちているので、自分の逆張りをすれば投資で成功できるのでは...(無理です)。絵の中でレクチャーしているのは、経済学者の真壁昭夫先生です。




婦人公論さん連載の「海外女性通信」の最近の挿絵から。ドイツでは、離婚家庭の父親が子供と面会する機会をサポートする「私のパパがやってくる」という取り組みがあるそうです。離婚しても子供にとっては両親はやはり両親、両方が子供を金銭的にも精神的にも支えるというのは重要ですね。
 イギリスからの話題は、もともとフード・バンクなどの取り組みがあったイギリスですが、COVID19問題で小売店の事情が不安定になり、しかし生産者側でのフードロスも起こり続けている、ここをつなぐために生産から直接食料が必要な困窮者へ橋渡しするフード・ホッブという取り組みが生まれたそう。困難の中でも社会改善の為に知恵をしぼる人々がいることに希望を感じますね。




こちらも連載の雑誌「集中」さんでの香山リカ氏のコラムから。これは大変深刻な話で、COVID19の影響で医療の現場がどんどん3Kというか、低賃金、危険かつ過重労働、そして医療者差別など敬意ももたれない待遇になってきてしまうのではないかという問題です。医療従事者は「何のために仕事をしているか」が問われるだろうということなのですが、むしろ社会の方こそ、命を救ってくれる仕事をそのような境遇に置いてしまっていいのかを考えなければいけませんね。今回の医療現場の問題に限らず、私たちの社会は介護や福祉、危険な作業など社会に不可欠な仕事を担う人々を低賃金悪待遇のままにしておいている問題が指摘されて久しいですし、そもそも全ての労働力に正当な対価を払うことをもっと考えていかないと、国内のみならず海外拠点での搾取労働などにまで影響がありますよね。

最近仕事をしながら、社会について考えさせられることが多いですね。イラストはそういう問題を考える一助になりながらも、読者がすっと文章に入っていけるようにどこか少し和みの要素も入れられたらな、と思いながら描いております。 まあ、わたしの場合、与えられたテーマを「絵で考える習慣」が毎回試されてるとも言えますね、がんばります💦

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